Information

2017.08.07
  • FP雑学(知っ得情報)

【保存版】iDeCoで老後資金を貯めるためのマニュアル

iDeCoで老後資金を貯めるためのマニュアル

平成29年(2017年)から個人型確定拠出年金制度、通称iDeCo(イデコ)がスタートしました。制度としては従来からありましたが、加入対象者が拡大し公務員、自営業、専業主婦など今まで確定拠出年金制度(日本版401k)と縁の無かった方も、制度を活用できることとなりました。

制度の賛否はあるものの、新しい制度を積極的に活用したいという意識の高い方々のために、個人型確定拠出年金制度導入までの、失敗しない効果的なステップを紹介いたします。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)について知ろう

iDeCoは個人型確定拠出年金制度の呼称で、平成29年(2017年)1月から対象者を拡大しました。それまでは、企業が年金制度の一部として導入していましたが、60歳未満であれば加入できるようになっています。

個人型とありますが、給与から天引きすることもできます。実際の積立は給与天引きか、口座引き落としの二種類の方法があります。

iDeCoに加入する場合の金融機関については、銀行、証券会社など様々な選択肢の中から、自分の好みに合った金融機関を選ぶことができます。金融機関を選ぶ際は、運用銘柄数、運用商品、ランニングコストについて比較すると良いでしょう。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)の加入手続きについて

iDeCoの加入手続きは非常に簡単です。

1.金融機関に申し込む
2.勤務先に証明書を発行してもらう
3.投資商品を選ぶ
4.毎月給与天引きまたは口座引き落としで積立を実施する
5.年末調整などで所得税等の還付を行う

筆者も実際に加入していますが、驚くほど簡単に手続きが進みます。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)のメリット

将来のために積み立てた金額が全額、所得控除の対象となるため、未来のじぶん年金を作りながら、所得税や住民税を減らすことができます。つまり、節税しながら積立が可能となります。所得控除については小規模企業共済等掛金控除の枠が使えます。

他にも、積立期間中の運用益は非課税となり、将来年金や一時金で受け取る場合も税制優遇があるなど、国を挙げて進める制度だけあり、税制メリットは非常に大きいです。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)のデメリットと危険性

iDeCoにはデメリットもあります。
最大のデメリットは流動性がまったく無いということです。

金融商品を選ぶときには、

1.収益性
2.安全性
3.流動性

の3つを考慮して検討します。

iDeCoは流動性が全く無いため、何かあっても引き出すことができません。筆者としては最大にして最悪のデメリットです。換金できない金融商品などこの世に存在するのでしょうか?存在するとしたら詐欺と同じです。

といっても、iDeCoはもちろん詐欺ではありません。その証拠に60歳以降になると解約、払い出しができます。

ただ、運用期間中はいかなる理由があろうとも換金できませんので、無理のない範囲で積立することが大切です。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)の金融機関の選び方

金融機関の選び方も非常にシンプルです。

1.初期手数料の多寡
2.運用期間中の手数料の多寡
3.商品ラインナップ
4.金融機関の利便性
5.iDeCoの操作性

初期手数料と運用期間中の手数料は、最低2,777円、運用期間中の手数料は最低167円からとなっています。安い方が良いのですが、手数料だけで選ぶのはやめるべきですし、最低手数料が同額ですので、実際には選べないでしょう。

もっとも重要なのは、商品ラインナップです。どんなラインナップがあるのでしょうか?

金融機関の系列商品しかないような場合は、その金融機関を選ぶべきではありません。理由は、加入者の立場ではなく、金融機関の立場でiDeCoに取り組んでいることが明白だからです。

金融機関の利便性については、近くに窓口があるとか、相談できる金融機関の職員がいるといった、アナログな観点から利点があると思えば、最寄りの銀行でiDeCoを始めてもいいでしょう。

iDeCoの操作性、実際にiDeCoの投資内容を変更したり、積立の割合を変更したりする手続きが簡単かどうか。投資に積極的に取り組みたい方は、操作性を重視すると良いでしょう。

ちなみに筆者は商品ラインナップで選んでいます。自分が投資したいファンドが存在するかどうか、を金融機関選びのポイントにしています。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)の商品ラインナップと商品選び

金融機関によって投資可能な商品が異なります。

商品ラインナップは金融機関の系列ばかり並んでいないかをチェックしてください。

理想は、コストの安いインデックスファンドなどのパッシブ運用ファンド、パフォーマンスの良いアクティブ運用のファンドがそろっており、世界中のマーケットに偏りなく投資ができることです。

低コストでグローバルに投資することができれば、上手にポートフォリオを組むことで、年率5~7%の運用利回りを得ることも、不可能ではありません。

ポートフォリオに組み入れる価値のあるファンドが商品ラインナップに入っていれば、iDeCoのメリットを最大限発揮することができるでしょう。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)のメンテナンス

運用期間中には今まで積み立てた商品残高を、他の商品に投資をすることがあります。

また、今後積立るファンドの商品を変更したり、投資内容の割合を変更したりすることがあります。

iDeCoはやりっぱなしではなく、適宜メンテナンスをすることが必要です。

相談できる先を確保してありますか?金融機関やファイナンシャルプランナーなど、相談できる人を選んでおくと良いでしょう。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)の移管

iDeCoを始めると、途中で金融機関を変更することがあります。

たとえば、転職した場合や独立した場合など、今までの金融機関から別の金融機関でiDeCoを続けることができます。

ただし、その場合は今まで運用していた商品は全部売却をします。もちろん運用益は非課税なのですが、投資先の商品がすべて売却後再投資になります。

また、受け入れ金融機関が所定の手数料を設けている場合もありますので、注意が必要です。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)の税制

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)の税制

iDeCoがブームになっている最も大きな要因が、税制優遇です。

所得税と住民税が安くなる。

税金をたくさん払うことを喜ぶ人は少ないでしょう。納税額を減らせるのであれば、減らしたいと考えるのが正直なところです。

iDeCoで積立を行うことで、下記の様々なメリットが享受できます。

1.積立が全額所得控除の対象となる

毎月のiDeCoでの積立額は、年末調整や確定申告を行う際に、1月から12月までの一年分の投資額が全額所得控除の対象となります。

例えば自営業の場合は毎月68,000円かけることができますので、年間816,000円の所得控除が得られます。

所得税の税率が

10%であれば81,600円
20%であれば163,200円
30%であれば244,800円
40%であれば326,400円

の節税効果があります。

住民税は翌年の課税ですが、10%で計算すると良いでしょう。

2.運用期間中の利益に対して非課税である

運用益が非課税という事は、実は利益を出さなければ意味がないという事です。損をしている場合のメリットではありません。上手に投資をして資産を増やす必要があります。

ですから、商品選びに重点を置く必要があるのです。効果的なポートフォリオを組んで、長期的に資産を増大させていく。それが実現できて初めて運用中の非課税メリットを享受できるのです。

ちなみに日本の税制では、預金の利子、株式の配当、債券の利払い、株式や投信の売却益など、一律20%(所得税、住民税のみの場合)となります。ですから、20%の課税をされずに投資を続けられるという点が強みです。通常は、銘柄変更の度に利益が出ていれば課税されるため、利益が80%になってしまうのです。

運用益の非課税は上手な運用ができれば大きな特典と言えるでしょう。

3.受取時にも税制優遇がある

積み立てて運用を続けたじぶん年金は二種類の受け取り方があります。1つは一時金で受け取る方法、もう1つが年金として分割して受け取る方法です。

一時金で受け取る場合は、退職所得となるため退職所得控除が適用になります。年金として受け取る場合は、公的年金等控除が適用になります。

つまり受け取るときにも課税を抑える仕組みが施されているのです。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)に関するよくあるご質問

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)に関するよくあるご質問

ここからは個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)に関してよくあるご質問、ご相談についてお答えしていきたいと思います。ぜひご参考になさってください。

60歳を超えたらどうなるの?

60歳を超えると加入できません。

また、今まで加入していた場合には、60歳を超えると受取ができるようになります。

50代で加入を検討している方は、60歳では受取ができず、受給開始年齢が少し伸びますのでお気を付けください。

仕事を辞めたらどうなる?

iDeCoは仕事を辞めても続けられます。運用自体を続ける場合と、積立も含めて継続する場合があります。

いずれにせよ、ランニングコストがかかりますので、積極的に運用を継続して資産を増やすべきかもしれませんし、リスクのない商品に切り替えるのもいいでしょう。

1人では判断が難しいでしょうから、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談して、自分はどうすべきかを検討ください。事情はその時にならないとわからないものです。

みんな加入しているの?

まだ対象者の1%程度しか加入が進んでいません。これから増えていくでしょう。

どんな人がやるべき?

税制メリットが大きいのは高所得者です。収入が多いほどメリットがあります。

収入が少ない方は税制メリットが無いか少ないでしょう。専業主婦の方など働いていない場合も加入できますが、メリットは運用益の非課税等限定されます。

やらない方が良い人っている?

仕事が安定せず、貯蓄がまともにできない人は加入しない方が良いでしょう。

死んだらどうなる?

死亡時には、相続人が運用中の資金を受け取ることになります。

騙されてない?

騙されることはありませんが、税制メリットを誤認している方は多いと思います。しっかりと制度を理解してから始めましょう。

メリットが多い理由

政府が国を挙げて投資を推奨するための制度です。ですから、メリットの方が多くなっています。メリットは政府からのプレゼントだと考えてください。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)とNISAとの違い

iDeCoは将来の年金づくりです。NISAは短期的な資産運用に活用ください。

資金にゆとりがある人は、両制度を併用するといいでしょう。

積立てNISAとの違い

積立てNISAは2018年から開始されます。積立可能額が異なりますし、投資対象も限られます。また、所得控除にはなりません。

入らないとどうなる?

特に問題はありません。生命保険や不動産投資でじぶん年金を作るのも一案です。

家族や友達に勧めるべき?

やりたい人は自分でやるはずですので、お勧めする必要はありません。自分が始めて良かったらお話しされるといいと思います。

どんな人に相談すべき?

金融機関かファイナンシャルプランナーの2択となります。会社に相談しても、詳しい人やアドバイスができる人はいないでしょう。

勤務先の人事に知られたくない

こっそり加入することはできません。勤務先の証明書が必ず必要になります。知られたくない人は投資自体が不可能です。

勤務先の人事に嫌われたくない

iDeCoを始めることで勤務先の人事の方の事務負担が増えるため、それが原因で嫌われたくないという人はいるでしょう。給与天引きではなく、口座引落の設定で始めると、人事の負担も少なくてすむでしょう。

転職したらどうしたらよい?

勤務先が企業型確定拠出年金を導入している場合は、転職先等にご相談ください。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)が広まらない理由

メリットしか宣伝されないので、怪しいと考える人が多いと思います。また、過去の投資で痛い目を見ている人も多いでしょうから、すぐにやってみようとならないのではないでしょうか。手続きが面倒だという意見も多いです。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)について相談できる先がないのはなぜ?

運営管理機関は相談ができません。ファイナンシャルプランナーも投資助言の資格がない場合は、特定の銘柄の推奨はできません。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)を始める前に

ご自分でライフプランとキャッシュフロー表を作成し、将来いくらの老後資金が必要か確認してから加入されることをお勧めいたします。

自分で計算できない場合は、私たちを始めとするファイナンシャルプランナーに相談するという方法もありますので、選択肢の一つとしてご検討いただければと思います。

個人型確定拠出年金制度・iDeCo(イデコ)に正しく取り組むことで、少ない費用で大きな効果を得られるはずです。


特典1
PDF「お金で失敗しないで楽しく普通に生きるための7つのルール」プレゼント!
特典2
メルマガ読者限定割引!
  • 初回相談料3,000円割引
  • コンサルティング料金3,000円割引
※印は必須項目です。
都道府県